〈夏休み特集〉白夜のTuusulaにようこそ!
「トゥース!ら!」と叫ぼう
まずトゥースラとは市町村の市でも町でも村でもなく「自治体」です。面積は225㎢と大阪市と同じ大きさのところに人口 3万9千人がのびのびと暮らしており、首都ヘルシンキから北に30㎞と車で約30分の距離にある首都圏に位置してます。隣の市ヤルヴェンパーにもまたがる約6㎢のトゥースラ湖は地元の人々に愛されるランドマークで、その周辺の豊かな自然の恵みとボートからスケートに至るまで、各種アクティビティを提供しています。さぁ皆さん、某日本のお笑い芸人のように、人差し指を立てて湖に向かって叫んでみましょう、「トゥース!」と。するとあら不思議、湖の向こうから「ら!」と大きな声の返事なんか……返って来ませんよ。
https://www.tuusula.fi/ 我が町Tuusulaの公式サイト:トゥースラ湖の中心から愛を叫ぶ
フィンランド美術の黄金時代に想いを馳せながら
トゥースラ湖からヤルヴェンパーまでの湖畔の風景に沿って走るランタティエ(海岸通り)には、1800年代から1900年代にかけて、フィンランドの文化史に大きな影響を与えてきた芸術家コミュニティがありました。作家のユハニ・アホとその妻で画家のヴェニー・ソルダン=ブロフェルトが「アホラ」と呼ばれる別荘を借り、画家エーロ・ヤルネフェルトが移住し、画家のペッカ・ハロネンがアトリエハウス「ハロセンニエミ」と、詩人J.H.エルッコが邸宅「エルッコラ」を完成させ、さらにはフィンランドを代表する作曲家ジャン・シベリウスの家族が「アイノラ」に移り住んできました。
左のトゥースラ教会から右のヤルヴェンパー市との境界線側に向かってご案内します
それでは、うちからトゥースラ湖沿いにトゥースラ教会を経由して、それらの巨匠たちに想いを馳せながら、家から近くのトゥースラ湖の東岸を車で走ってみましょう。
夏にフィンランド各地の草原を紫やピンクで彩るルピナス
すぐに寄り道……由緒あるホテルKrapi(クラピ)
結構すぐに寄り道をしてしまうのですが、海岸通りに入る前に、秋篠宮殿下ご夫妻もお立ち寄りになられたというレストランを見て行って下さい。Krapihovi(クラピホヴィ)と申します。
やんごとなき方々も訪れたKrapihovi 。公式サイトはこちら→:https://krapi.fi/herkuttelu/krapihovi-2/krapihovi/
こちらのKrapihovi は、由緒ある農場を敷地ごとホテルに改装し運営されているKrapi(クラピ)のメインレストランです。地産の新鮮な素材を活かしたオーガニックでオーセンティックな料理には、フィンランドのトゥースラならではの味が楽しめます。が、夏にはこのKrapihoviに加えて、夏限定でオープンするMankeli(マンケリ)というレストランのテラスに行くのが粋です。
夏限定レストランのMankeliはテラス席がいっぱい
Krapi敷地内のスモークサウナ、トゥースラ唯一の公共サウナと言っても過言ではない
このKrapiには湖畔に本格的なスモークサウナもあり、コロナ禍前には1か月に一度、公衆サウナとして一般にも公開していました。火照った身体をトゥースラ湖に沈めて泳いだあの日々の復活が待ち遠しいです。
小さな湖畔の森のお散歩
湖畔でちょっと森林浴をしたり、ソーセージを焼いて食べるのに気軽に行けるFjällbon puisto (フイェルボ公園)
うちから車で7分ほど。そんな距離なら自転車で行くのが正統という気もするのですが、インドア派の私は無理はしません。と、どや顔で入って行くのがFjällbon puisto (フイェルボ公園)。駐車場を出てすぐのところに、とても元気そうなフィンランド人のおばさんグループがワイワイ談話を楽しんでいました。
湖を見下ろし、低木や苔や岩盤を見上げながら歩く小路
ライラックの季節と入れ替わりにビルベリーが実に色をつけ始める。北欧の夏の自然は慌ただしい
このフイェルボ公園は森というよりも公園という位置づけなので、人の集まりも多いです。公共のグリルや薪割り場も設置してあるので、自前のソーセージや野菜やマシュマロを持って行けば、BBQも楽しめます。
最後に、春夏限定で陽が明るい限りずっと、ずーっと鳴いている鳥たちの声をお届けします。↑のTwitterへのリンクからどうぞ。それでは皆さま、Hyvää Juhannusta!(ヒュヴァー・ユハンヌスタ!=良い夏至祭をお迎えください)
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